会社経営者であると、必ず問題となるものとして資金繰りがあります。いくら売り上げがあったとしても、手元に現金がなければ会社は回りません。売上高は非常に多いにも関わらず、売り上げが上昇するほど資金がなくなるという状況はよくあります。

そうしたとき、通常なら金利の安い銀行や日本政策金融公庫などにお金を借りて資金繰りをよくします。お金を借りるとき、「事業資金のため」で申請するのは普通です。

ただ、こうした金融機関はなかなかお金を貸してくれません。また、お金を借りるにしても審査があり、さらには資金が振り込まれるまでに1ヵ月以上の時間がかかります。

そうしたとき、すぐにお金を借りることのできるものとして法人カードローン(ビジネスカードローン)があります。これらを利用するだけで、ビジネスでの窮地を救えるようになります。

法人カードと法人カードローンは異なる

会社経営者であれば、ほぼ全員が保有しているものとして法人カードがあります。法人用のクレジットカードであり、事業で必要なものは法人カードで決済するのです。

法人カードを利用するだけで、経費削減や大幅な節税を実現することができます。個人クレジットカードと同じようにポイントが付き、このときのポイントは社長が好きなように個人利用できます。

こうした特徴のある法人カードですが、名前は似ているものの法人カードローン(ビジネスカードローン)とは全くの別物です。

法人カードローンはお金を借りることに特化したカードです。個人用にカードローンが存在しており、これの法人版が法人カードローンになります。事業用資金の融資に特化しているため、当然ながら法人カードのキャッシングよりも優れた機能があります。

その特徴について、具体的に確認していきます。

利用限度額が高い

銀行融資であると、何千万円や何億円ものお金を借りることが可能です。事業で数千万円規模の融資が必要になるのは普通であるため、銀行を頼るのです。

ただ、法人カードローン(ビジネスカードローン)の多くは銀行ほど融資してくれません。上限が存在し、その多くは500万円や1,000万円までです。

逆に言えば、500万円や1,000万円までならお金を借りることが可能です。これだけの資金があれば、大企業でない限りは持ちこたえることができます。多くの中小企業であれば、十分なお金だといえます。

実際のところ、中小企業では「数日中にあと少しだけお金が欲しい。それさえあれば、事業が回る」という場合がほとんどです。こうしたとき、銀行などの審査なしに自由に引き出せるお金が500~1,000万円あれば非常に便利です。

法人カードは限度額が低い

一方で法人カードはクレジットカード決済がメインです。お金を借りるキャッシングをメインにしているわけではありません。実際、法人カードでキャッシング機能のあるカードは非常に少ないです。

中にはキャッシング可能な法人カードも存在します。ただ、そうした法人カードであっても限度額が低く、さらには自由度もほとんどありません。

・オリコ EX Gold for Bizの場合

法人カードの中でも、非常に人気の高いカードとしてオリコ EX Gold for Bizがあります。

年間200万円以上の利用で還元率1.1%まで上昇し、ショッピングでの利用限度額が300万円と法人カードの中では非常に優れたスペックです。

法人カードにしては珍しく、キャッシング可能なクレジットカードです。ただ、キャッシングの利用枠は10~100万円と低めです。

しかも、法人向けのオリコ EX Gold for Bizにはキャッシング機能がありません。つまりキャッシングできるのは、あくまでも個人事業主向けに発行するオリコ EX Gold for Bizだけになります。

法人という時点でキャッシングすることができないため、すぐにお金を借りることは不可能です。

・三井住友ビジネスカード for Ownersの場合

法人カードの中で審査基準がそこまで高くなく、年会費が安いので非常に申し込みやすいカードとして三井住友ビジネスカード for Ownersがあります。

三井住友ビジネスカード for Ownersも珍しく、法人カードでキャッシングすることができます。

ただ、キャッシング利用枠は50万円までです。さらに、キャッシングするためには大きな利用制限があります。法人の場合、国内でのキャッシングはできず、海外キャッシングにしか対応していません。

個人事業主が発行する場合、国内・海外の両方でキャッシングが可能です。しかし、会社経営者の場合は海外でしかお金を引き出すことができないため、少なくとも事業用資金として利用することはできません。

法人カードでの資金調達は向いていない

こうした事実があるため、「法人カードにキャッシングの機能がついているため、そこからお金を借りればいい」と考えてはいけません。

法人カードはあくまでも「事業用の買い物」「広告費の支払い」などビジネスで必要な事業用決済として利用するのがメインです。お金を借りるためのカードではありません。

一方で法人カードローン(ビジネスカードローン)であれば、会社組織に対して融資することに特化したカードになります。そのため500万円や1,000万円までお金を借りることができ、当然ながら日本国内ですぐにでもお金を引き出すことが可能です。

法人カード 法人カードローン
ショッピング ×
お金の引き出し
限度額 100万円など 500~1,000万円

法人カードは支払いを1~2ヵ月先にすることができるため、非常に便利です。お金の支払いを先延ばしにするのに便利なため、当然ながらこれであっても資金繰りの改善に役立ちます。

ただ、法人カードを利用することによる支払いの先延ばしは、「どの支払いにも使える現金を手元に置ける」ことにはなりません。あくまでも、支払うべきものを先延ばしにするだけであり、「従業員の給料支払いや銀行への返済など、何でも利用できるお金を保有しておく」という意味での資金繰りの改善にはならないのです。

そのため、現金をもっておくことでの資金繰り改善を図る場合、法人カードローンを保有しておく必要があります。

法人カードローン(ビジネスカードローン)の特徴

それでは、事業用の融資に特化した法人カードローン(ビジネスカードローン)の特徴には何があるのでしょうか。

当然ながら、銀行融資などに比べると金利が高いのは誰でもわかります。それでは、具体的にどれだけの利子が必要になるのでしょうか。

次に、法人カードローンの特徴やメリットについて確認していきます。

無担保・無保証で借りることができる

通常、銀行でお金を借りるときは土地や建物などの担保が必要です。お金を返せなかったとき、銀行は担保を没収して売却し、そのときのお金を返済金額に当てます。

また、通常は連帯保証人が必要になります。あなたが連帯保証するのは当然として、親など第三者に頼み込んで連帯保証人になるようにお願いする必要があります。

または、現在は「第三者の連帯保証人を免除する制度」が存在するものの、その場合は金利が高くなるなどの制約があります。

一方で法人カードローンであれば、こうした制約がゼロです。無担保、無保証で借りることができます。

当然ながら、法人の場合は代表者が連帯保証する必要があります。これはどの融資でも共通です。ただ、担保を差し出したり第三者の連帯保証人を立てたりする必要がなく、面倒な作業なしにお金を借りることができます。

来店不要でコンビニATMにて即日引き出し可能

銀行で融資をしてもらう場合、融資してもらいたい銀行の支店に出向く必要があります。そこで事業について説明し、融資してもらうための審査が通り、ようやくお金を引き出すことができます。

要は、非常に面倒です。新たに融資してもらうにしても説明が必要になり、さらに融資額が大きくなるとなかなかお金を貸してくれません。場合によってはあるときに積極的な貸しはがし(お金を返してもらうようにすること)に遭い、資金繰りが急激に苦しくなることもあります。

ただ、ビジネスカードローンであればこうした心配はありません。コンビニのATMなどでいつでも即日引き出しが可能です。以下のようなATMで問題なくお金の引き出しができてしまうのです。

特にどこかの店に出向く必要はなく、申し込みはWeb上だけで完結します。誰に知られることなく、事業用の資金調達ができます。

翌日には融資してもらえる

お金を借りるために1ヵ月以上の期間が必要な金融機関とは異なり、ビジネスカードローンでは非常に素早い融資を実現することができます。

このとき、翌日からお金を借りることが可能です。法人カードローンの種類によっては、当日に審査が完了して融資できるようになることもあります。

このときの流れはどこもほぼ同じであり、以下のようになります。

  1. パソコンや携帯電話など、ウェブ上から情報を入力
  2. 審査後、結果の連絡がくる(電話またはメール)
  3. 引き出し可能になる

金融機関のような厳密な審査をするわけではありません。そのため、翌日などにはコンビニATMなどでお金の引き出しが可能になるのです。

「今月中に得意先への支払いが必要」「銀行への返済があり、遅れると会社が倒産する」などの非常事態があったとしても、いますぐこうしたビジネスカードローンへ申し込みをすればお金を借りることが可能です。

年会費・保証料は無料

法人カードであると、基本的には年会費が必要になります。個人クレジットカードでは「年会費無料」が珍しくありませんが、法人カードではほとんど存在しません。

一方で法人カードローン(ビジネスカードローン)であれば、年会費や保証料は無料です。カードを保有するとき、年会費という無駄な費用が出ていくことはありません。

また、例えば住宅ローンでは保証料というよくわからないお金を銀行へ差し出さなければいけません。ビジネスカードローンでは、こうした無駄な保証料はありません。

そのため、純粋に法人カードローンを活用してお金を借りたときにだけ、利子が発生すると考えてください。

なお、カードをもつこと自体は無料であるため、「将来、急な資金調達が必要になったときに備え、いまのうちからビジネスカードローンを保有しておく」という経営者もいます。もつこと自体は無料であり、リスクヘッジに備えるのが経営者であるため、早めにカードを発行しておくのです。

個人事業主でも保有できる

「法人」という名前ではあっても、法人カードと同じように法人カードローン(ビジネスカードローン)は個人事業主であっても利用することができます。

要は、ビジネスを自分で動かしている人であれば、全員が事業融資の対象になると考えてください。

自営業・フリーランスであっても急な資金調達が必要になる場面は多いです。また、こうした個人事業主こそ銀行融資が難しく、ビジネスローンが大きな威力を発揮します。

資金繰りを改善するため、会社組織に限らず自営業・フリーランスについても法人カードローンを利用する価値があります。

年利(金利)はどうしても高くなる

非常にメリットの多い法人カードローンですが、銀行融資に比べると年利(金利)は高くなります。これはある意味、当然ではありますが利率(実質年率)は最高18%ほどになります。金利が高いのは法人カードローンのデメリットです。

年利については、融資額(お金を借りる額)によって変わってきますし、発行するビジネスカードローンの種類によって異なるので一概にはいえません。ただ、銀行のように2~3%の金利ではなく、10%以上になるのは確実です。

お金の返済のシミュレーション

それでは、借金を返済するときはどのようになるのでしょうか。ビジネスカードローンでは、「一括返済」と「リボ払いによる返済」の2種類があります。

一括返済の場合、非常に分かりやすいです。例えば、100万円を1ヵ月借りて年利15%の場合、利子は以下のようになります。

  • 100万円 × 0.15(年利15%) ÷ 12(1ヵ月分のため) = 12,500円(利子)

利子が12,500円であるため、一括返済では101万2,500円を返せば問題ありません。

一方でリボ払いではどうでしょうか。リボ払いとは、毎月一定額は返済していく方式になります。例えば、「毎月10万円を返済する」というリボ払い(リボルビング返済)にした場合、以下のようになります。

※先ほどと同じように、100万円を借りて年利15%で計算しています。

返済額 利息 元金残高
1回目 10万円 12,500円 90万円
2回目 10万円 11,250円 80万円
3回目 10万円 10,000円 70万円
9回目 10万円 2,500円 10万円
10回目 10万円 1,250円 0円

一括返済する人は少なく、多くはリボ払いによる返済です。もちろん、リボ払いの返済額を増やしたり減らしたりするのは自由です。また、資金に余裕ができたらいつでも繰り上げ返済可能なビジネスカードローンもあります。

事業用融資とはいっても、借金なので返済計画を立てたうえでお金を借りるようにしましょう。

ビジネスカードローンの審査内容

ただ、実際に法人カードローンを利用しようと考えたとしても、審査が厳しかったら意味がありません。銀行での融資に通過しないからこそ、こうしたビジネスカードローンに頼んでいるわけです。そのため、審査内容は非常に気になります。

法人カードローンの審査書類には一般的にどのようなものがあるのでしょうか。これについては、法人と個人事業主で異なります。

・法人の場合

会社組織であると、次のようなものが必要になります。

  • 本人確認書類のコピー:運転免許証、パスポートなど
  • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
  • 決算書類のコピー

こうしたものを事前に用意するようにしましょう。

・個人事業主の場合

一方で個人事業主では、以下の書類が必要です。

  • 本人確認書類のコピー:運転免許証、パスポートなど
  • 確定申告書類のコピー

なお、法人で決算書が必要であったり、個人事業主で確定申告書類が要求されたりするとはいっても、そこまで身構える必要はありません。

通常なら金利の低い銀行や日本政策金融公庫の融資に頼るものの、ビジネスカードローンに申し込もうとしている以上、資金繰りがある程度厳しいことくらい誰でもわかります。そうしたビジネスマンに対して無担保、無保証で融資してくれるのが法人カードローンなのです。

そのため、決算書や確定申告の書類が要求されるとはいっても、基本的には問題なく審査に通過します。赤字決算であっても審査の通過は問題ないと考えてください。

ビジネスカードローン審査の注意点

審査に通過するかどうかというよりも、注意すべきは提出書類や記載するべき項目にあります。

運転免許証などの本人確認書類を提出することになるわけですが、このとき確認書類に記載されている「名前」「住所」などが一致しているかどうか確かめるようにしましょう。

よくあるのが住所の不一致です。運転免許証の住所と現住所が異なるとき、現住所を記載して申請すると、「本人確認書類と住所が異なる」という理由で審査に落とされてしまうのです。

これではもったいないため、必ず本人確認書類の住所を記載しましょう。また、本人確認書類の住所と現住所が異なり、どうしても現住所に送りたい場合は「公共料金の領収書」などが必要になり、少し手間がかかることは理解するといいです。

わりと領収書はやっかいであり、例えば以下は公共料金の領収書ではありません。

私は電気・ガス・水道の料金をすべてカード払いにしていますが、これは単なる検針票であり、領収書ではありません。実際、私はこれが理由でカードの発行を断られたことがあります。

領収書は銀行振込やコンビニ振込などでないと手にすることができません。クレジットカード払いしている人では、公共料金の領収書を手に入れるのは不可能に近いです。

そうしたとき、初めから運転免許証などに記載されている住所で申請するといいです。

法人カードローンにはどのような種類があるのか

それでは、法人向けにビジネスカードローンのサービスを提供している会社としてはどのようなものがあるのでしょうか。

主な法人カードローンとしては、「ビジネクストカードローン」「オリックスVIPローンカードビジネス」の2種類があります。それぞれ特徴が異なり、申し込むための条件や審査のスピードなどが違ってきます。

また、資金繰りを改善したい場合は2つとも申し込むのが基本です。どちらか一方の審査に落ちても、もう一方の審査が下りれば問題なく資金繰りが改善します。また、運よく2つ持つことができれば、それだけ借入できる額が大きくなります。

年会費や保証料は無料であるため、どちらとも持っておいた方がいいです。これらを2つ保有して万が一へのリスクヘッジをすることが真の経営者だといえます。

オリックスVIPローンカードビジネス

最高で500万円までの融資が可能であり、ビジネクストカードローンと同じようにコンビニATMでいつでもお金を引き出せるカードがオリックスVIPローンカードビジネスです。

利用枠としては「500万円・400万円・300万円・200万円・100万円・50万円の6コース」から選ぶことができ、後で利用限度額を増枠することもできます。20歳~69歳の人で利用可能なカードローンです。

年利は6.0~17.8%であり、返済方法はリボ払いだけでなく、一括払いにも対応しています。返済方法を選べるという点で多くの選択肢を取れるビジネスカードローンです。

最大の特徴は審査の速さです。申し込みから最短60分で審査可能です。承認された場合、平日14:30までに契約内容の同意手続きをすれば、当日振込による融資が可能です。

個人事業主でも申請可能ですが、個人事業主では「業歴1年以上」が条件になります。一方で「法人格を有する事業の代表者」であれば、年齢を満たしていれば誰でも申し込み可能です。

ビジネクストカードローン

大手消費者金融で知られるアコム系列の会社が発行する法人カードローンとして、ビジネクストカードローンがあります。

法人や個人事業主向けの法人カードローンです。ただ、申し込みには20~69歳までという年齢制限があります。また、「業績1年以上で決算書を提出できる法人」「1年以上、ビジネスをしている個人事業主」が申請できます。。

年利(金利)は借入額によって変わってきます。「利用限度額100万円未満:13.0%~18.0%」「利用限度額100万円以上:年利8.0%~15.0%」です。利用限度額(借金額)が低いと金利は高くなります。

また、最高で1,000万円までの借入が可能ですが、新規での取引では限度額が最高500万円までになることに注意が必要です。

返済方法はリボ払いのみです。一括払いでの返済はできません。そのため、長期的な返済をしたい方に向いている法人カードローンだといえます。

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