車利用の多い会社であれば、給油代が安くなる法人カードはないか探すのが普通です。ガソリン代だけで月に何万円にもなるため、お得に給油できる法人カードが存在しないか確認するのです。

そして、法人カードのカテゴリの一つとして「法人ガソリンカード」が存在します。簡単にいうと、ガソリンを通常よりも「お得」に給油できる法人カードのことを指します。

法人ガソリンカードには種類があります。また、その中には割引が適応されるカードがあれば、店頭価格での給油になるガソリンカードもあります。中には「お得」どころか、むしろガソリン代が高くなるので絶対に申し込むべきではない法人ガソリンカードも存在します。

どの法人ガソリンカードを使うのかは適切に見極めなければいけません。ここでは、どのような法人ガソリンカードが良いのかについて確認していきます。

法人ガソリンカードのメリット

法人ガソリンカードを活用するとき、最初に理解しておくべきことがあります。法人ガソリンカードにはメリットがあるものの、どのようにすればメリットを受けられるのか知っておく必要があります。

以下では、お得に給油できる法人ガソリンカードのメリットについて確認していきます。

給油代の割引が存在する

法人ガソリンカードによっては、給油代の値下げを実現できるカードがあります。1リットルごとに値段を安くしてくれたり、カード利用額に応じて後でキャッシュバックしてくれたりするのです。

こうしたことがあるため、法人ガソリンカードを選ぶときは「どれだけの割引率があるのか」をしっかりと確認しなければいけません。

「店頭価格での給油」となっている法人ガソリンカードの場合、給油代は安くなりません。法人ガソリンカードの多くは年会費が必要になるため、無駄に年会費だけ支払ってガソリン代が安くならないと損をしてしまいます。

事務処理の大幅軽減

適切な法人ガソリンカードを選べば、お得に給油できるだけでなく、事務処理の大幅削減も実現できます。

通常の給油であれば、あなた自身や社員が給油代を立て替えなければいけません。その後、立て替えたお金を清算するためには、後で銀行口座に振り込みをする必要があります。こうした作業は非常に面倒であり、ビジネスとは関係ない無駄な作業です。しかも、銀行振込手数料が必要なので必要ない経費が増えていきます。

そこで法人ガソリンカードを利用すれば、経費処理を簡素化できます。お金を立て替えてもらう必要はなく、銀行振込の作業や手数料を省き、利用明細はすべてウェブ上に記載されます。

これをすべて自動で行ってくれるため、車利用の多い会社にとって法人ガソリンカードの利用は必須だといえます。

カードの特典を利用できる

法人ガソリンカードには特典が存在するため、お得に給油できるだけでなくその他のメリットを受けることができます。

例えば、カード利用ごとにポイントがたまります。法人ガソリンカードのポイント還元率は一般的に0.5%ですが、このようなビジネス利用のカードは利用額が大きくなりやすいので、たくさんポイントがたまっていくようになります。

また、ガソリン代が高くなる個人事業主や会社組織であると、高速道路を利用する機会があります。そうしたときは法人ETCカードが必要になります。多くの法人ガソリンカードでは、法人ETCカードをつけることも可能です。

さらに、カードによっては給油だけでなく交通費や宿泊代などに対してもキャッシュバックの対象となることがあります。

法人ガソリンカードによってスペックは異なりますが、こうしたさまざまな特典を受け取れるというメリットがあります。

法人ガソリンカードの注意点

こうしたメリットはあるものの、実際に法人ガソリンカードを利用するときは注意しなければいけません。具体的に何に注意すべきかというと、「対応のガソリンスタンド数」などカード自体の問題があれば、「不正利用への防止」など社内整備の注意点もあります。

法人ガソリンカードは便利ですが、使い方を誤るとメリットを受け取れなくなります。そこで、デメリットを含め法人ガソリンカードの問題点について確認していきます。

割引では、特定のガソリンスタンドだけ適応

当然ではありますが、基本的に指定のガソリンスタンドで給油したガソリンが割引の対象になります。

法人ガソリンカードはガソリン会社ごとに発行されます。「エネオス」「出光」「昭和シェル」「コスモ石油」「エッソ・モービル・ゼネラル」などです。この場合、カード発行会社の給油のみに割引や特典が適応されます。

そのため、「会社や家の近くに対象のガソリンスタンドがあるか」「頻繁に活用するガソリンスタンドはどれか」などを確認しなければいけません。また、高速道路などを活用して遠出する機会が多い場合、対応するガソリンスタンド数も考慮する必要があります。

不正利用への防止策

法人ガソリンカードを利用するとき、必ず注意しなければいけない点として不正利用(私的利用)があります。

個人事業主や会社経営者の中でも、一人社長や家族経営の会社であれば何も問題ありません。ただ、社員がいる場合、対策を講じていないと必ず不正利用が起こるようになります。

法人カードの中でも、法人ガソリンカードは特に私的利用が起こりやすいです。従業員が自家用車へ給油し、プライベートで利用してしまうのです。社員数が多くなるほど、こうした不正利用が起こるようになります。

セルフのガソリンスタンドであると、車番(車のナンバー)が記載されません。ただ、セルフではなく人が給油するタイプの場合、適切な法人ガソリンカードを選ぶとウェブ上の利用明細に「利用日時、車輌番号、利用ガソリンスタンド」が記載されるようになります。

このような法人ガソリンカードを選び、さらにはセルフのガソリンスタンドでの給油を禁止するようにすれば、高確率で他の役員や社員による不正利用を防げるようになります。

法人ガソリンカードは経費処理の効率化に優れているものの、こうした社内ルールの整備がなければ私的利用が横行してしまうことに注意が必要です。

高速道路の料金は会員価格にならないことが多い

他にも注意しなければいけない点として、高速道路での給油価格があります。一般道路での給油に比べて、高速道路のガソリンスタンドでは値段が非常に高くなるのが一般的です。

しかし、法人ガソリンカードで「全国統一価格で給油できる」と書かれていたとしても、高速道路は対象外となっていないことがほとんどです。「高速道路の給油が安くなる」と思ったにも関わらず、実際には安くなっていないことが多いです。

そのため、いくらカードの公式サイトなどに「全国統一価格」と書かれていたとしても、高速道路の給油は例外だと考えるようにしましょう。多くの場合、小さい文字で「高速道路での給油は対象外です」などのように記載されています。

クレジット機能なしの法人ガソリンカードも存在する

なお、基本的に法人ガソリンカード(給油カード)という名前ではあっても、クレジットカードとしての機能がついているため、給油以外でも使えることがほとんどです。つまり、一般的な買い物であっても問題なくカード決済できてしまうのです。

ただ、中にはクレジット機能なしの法人ガソリンカードも存在します。クレジット機能なしの法人ガソリンカードとは、「ガソリンスタンドでの給油だけに使用でき、通常の買い物には利用できない」という限定機能をもったガソリンカードになります。

通常の法人ガソリンカードの場合、クレジット審査があります。つまり、代表者の個人信用(過去にカードの支払い遅延を起こしたかどうかなど)や会社の信用情報を調べられます。

一般的に法人カードは審査が厳しく、なかなか審査に通過しません。ただ、これでは困るのでクレジット審査なしの法人ガソリンカードが存在します。クレジット機能がない場合、クレジット審査がないので審査基準は非常に低いです。

ただし、クレジット機能なしの法人ガソリンカードの場合、ハイオクやレギュラー、軽油など給油だけで利用することができます。

申し込んではいけない法人ガソリンカード

なお、いくつか存在する法人ガソリンカードの中には、そこまでメリットのないカードが存在します。中には、むしろ給油価格が上がってしまうガソリンカードもあります。

これらの法人ガソリンカードに申し込むメリットはないため、絶対に申請しないようにしましょう。こうした法人ガソリンカードとしては以下のようなものがあります。

・エネオス ビジネスカード

エネオスが発行する法人ガソリンカードとして、エネオス ビジネスカードがあります。

年会費無料で発行することができ、エネオス(ENEOS)の中だけで利用することができます。給油価格については、ガソリンスタンドとの契約価格になりますが、給油価格が安くなるわけではありません。

また、契約後に全国の給油価格が下がった場合、契約時の価格になるので「全国のガソリン代よりも高いガソリン代を支払わなければいけない」という、よくわからない現象が起こることがあります。しかも、ネット申請することができず、わざわざ店頭まで出向かなければカードを発行することができません。

さらにポイント還元率はゼロであり、カード利用によるポイントがたまるわけではありません。デメリットが非常に大きく、年会費無料であっても申し込む価値がないので発行してはいけません。

・コスモ コーポレートJCBカード

先ほどのエネオス ビジネスカードほどではないにしても、同じようにメリットの少ない法人ガソリンカードとしてコスモ コーポレートJCBカードがあります。コスモ石油が発行しているガソリンカードです。

通常の法人カードと同じであるため、年会費が必要になります。このときの年会費は1,250円です。

ただ、年会費が必要な法人ガソリンカードであるにも関わらず、給油代がお得になるわけではありません。店頭価格での給油代になるため、ガソリン代の割引はないのです。

法人ETCカードを無料で発行できるのは優れていますが、これは他の法人ガソリンカードでも同じです。コスモ石油のガソリンカードは諦めるのが適切です。

お勧めの法人ガソリンカード比較

それでは、どのような法人ガソリンカードを選べばいいのでしょうか。法人ガソリンカードによって特徴が異なり、「給油代が安くなる」「後でキャッシュバックが返ってくる」「審査基準が非常に低い」などがあります。

これらの法人ガソリンカードの中でも、どの給油カードが適切なのか見極めるようにするといいです。

シナジーJCB法人カード

法人ガソリンカードの中でも、メリットの大きい法人ガソリンカードとしてシナジーJCB法人カードがあります。給油カードとしてどのようなメリットがあるのかというと、単純に給油価格を大幅に下げることができます。

どれくらいガソリン代が安くなるのかというと、最大10円/リットルです。そのため、大幅な値引きを期待できます。

シナジーJCB法人カードの場合、月の利用額によって値引きの額が違ってきます。どれだけの割引があるのかについては、以下のようになります。

月のカード利用額 一般カード ゴールドカード
7万円以上 7円/L引き 10円/L引き
5万円~7万円未満 5円/L引き 8円/L引き
2万円~5万円未満 3円/L引き 6円/L引き
1万円~2万円未満 2円/L引き 5円/L引き
1万円未満 1円/L引き 4円/L引き

このように、かなりのガソリン代値引きを期待できます。しかも、月のカード利用額は給油代ではなく、携帯電話代や食事代、ネットショッピングなどすべて含んだ利用額になります。そのため、月7万円以上のカード利用額にして、最大値引きを適応させるのは簡単です。

値引きについては、請求時に値引きが入ります。そのため、例えばゴールドカードを使って300リットルの給油をした場合、「300リットル × 10円 = 3,000円」の値引きとなります。

・最大300リットルまでが値引きされる

ただ、注意点があります。それは、「値引きされるレギュラーや軽油の対象は月300リットルまで」ということです。それ以上の給油については割引とはなりません。無制限に割引されるわけではなく、上限があることに注意が必要です。

そうはいっても、月300リットルまでは値引きされることに大きなメリットがあります。

一般カードは年会費2,000円(初年度無料)であり、ゴールドカードは年会費10,000円です。年会費の高いゴールドカードであったとしても、月に80リットルほどの給油をすれば十分に元を取ることができます。そのため、給油という意味では非常に優れた法人カードです。

なお、エネオスでは割引されず、エッソ・モービル・ゼネラルのガソリンスタンドを利用したときに値段が安くなります。そのため、会社や家の近くにエッソ・モービル・ゼネラルがあるかどうかを調べるといいです。

シェルビジネスカード

昭和シェルが発行するガソリンカードとして、シェルビジネスカードがあります。一般カードであると、年会費1,250円の法人ガソリンカードです。

シェルビジネスカードの最大の特徴はキャッシュバック制度です。つまり、カード利用額に応じて後でキャッシュバックされるのです。

さらに、キャッシュバックされる対象としては、昭和シェルのガソリンスタンドで給油した分だけではありません。レンタカー料金やJR代、航空券代、高速料金、宿泊料金、タクシー料金を含めた旅費もキャッシュバックの対象になります。

どれくらいのキャッシュバックがあるのかというと、以下のようになります。

月のカード利用額 キャッシュバック率
100万円以上 3.0%
80万円~100万円未満 2.5%
60万円~80万円未満 2.0%
40万円~60万円未満 1.5%
20万円~40万円未満 1.0%
5万円~20万円未満 0.5%
5万円未満 0%

月のカード利用額については、電気代やガス代、事務用品代、ネットショッピングなど通常のカード決済による月の合計額になります。

このうち、「昭和シェルでの利用額」「レンタカー料金」「JR代・航空券代」「高速料金」「宿泊料金」「タクシー料金」などの利用分がキャッシュバックの対象です。さらに、昭和シェルでの利用分については対象金額が2倍で計算されます。

例えば、カード決済額が100万円(キャッシュバック3%)であり、そのうち昭和シェル利用額が10万円、航空券代の利用額が30万円だった場合、「(10万円 ×2倍 + 30万円) × 3% = 15,000円」がキャッシュバックされます。

年間で最大18万円までキャッシュバックされるため、ガソリン代だけでなく高速道路の利用料や宿泊代なども含めて割引(キャッシュバック)したい場合、シェルビジネスカードが最適です。ただ、月の利用額が高額でないと割引率が低いというデメリットがあります。

ETC協同組合の法人ガソリンカード

クレジット機能のない法人ガソリンカードとして、ETC協同組合が発行する給油カードがあります。

他の法人ガソリンカードの場合、通常の買い物にも利用できてしまいます。そのため審査基準は厳しく、誰でもカード発行できるわけではありません。そうしたとき、ETC協同組合の法人ガソリンカードが役に立ちます。

クレジット機能がないため、クレジット審査がありません。そのため、法人ガソリンカードを発行できないような人であっても問題なく審査に通過することができます。「審査の甘さ」という意味では、最高レベルに審査が通過しやすくなっています。

最初に出資金1万円は必要ですが、これは脱退時に返ってきます。また、年会費は無料であり、発行手数料も必要なく、年会費無料で何枚でも発行することができます。そのため、実質的に完全無料でもてる法人ガソリンカードです。

ただ、全国統一価格なので給油代が安くなるわけではないことに注意が必要です。クレジット機能がないため、ポイントもつきません。

しかし、給油時の明細には「利用日時、車輌番号、利用ガソリンスタンド」が記載されるため、不正利用防止に役立ちます。ガソリンスタンド以外は利用できないため、これについても社員の私的利用防止になります。

対象のガソリンスタンドとしては、エネオスか出光から選ぶことができます。どのガソリンスタンドでの給油が多いかを考えたうえで申請するといいです。レンタカーであっても給油でき、年会費無料なので利便性の高い法人ガソリンカードです。

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