法人カードであると、どうしても会社の状況が審査されるようになります。個人クレジットカードの発行に比べると、法人用のビジネスカードは審査が厳しくなります。そのため、個人カードは問題なく発行できたとしても、法人カードの審査で落とされることがあるのです。

そうした中でも、特に心配になるものとして赤字決算の会社があります。財務状態の悪い赤字企業であると、なかなか法人カードの審査に通過しません。

ただ、法人カードの中には「赤字決算でも問題ない」というビジネスカードが存在します。そこで、こうした審査基準の甘い法人カードへ申し込めば問題なくビジネスカードを手にできるようになります。

そこでどのような基準で法人カードの審査がされるのかについて確認し、赤字企業でも発行できるおすすめの法人カードを比較しながら紹介していきます。

赤字企業でも法人カードを作れる理由

まず、赤字決算の会社であるとビジネスカードを作ることはできないのでしょうか。これについては、赤字企業でも問題なく法人カードを発行することができます。

会社が赤字なのは理由があります。これには、以下のようなものがあります。

  • 利益が少なく、業績が悪い
  • 節税のためにわざと赤字にしている

売上や利益の額が少ないために業績が悪い会社の場合、確かに法人カードの審査には通過しにくいです。一方で非常に儲かっているものの、税金を払いたくないために積極的な節税を行い、会社を赤字にしている会社もたくさんあります。

赤字企業とはいっても、「非常に儲かっていて、倒産する可能性などまったくない会社」もたくさんあります。そのため、実際のところ赤字体質であったとしてもそれ自体は問題ないのです。

決算書を見れば会社の財務体質が分かる

そこで、審査基準を厳しくしているクレジットカード会社は何をするかというと、決算書を確認します。例えば、決算書が以下のような場合は財務状況が悪いことが分かります。

  • 売上が少ない
  • 粗利率が低い
  • 借入額が大きい

それに対して、たとえ赤字決算であっても財務状況が問題ない会社としては以下のようなものがあります。

  • 売上が大きい
  • 粗利率が高い
  • 減価償却費が大きい
  • 旅費交通費や交際接待費が多い

節税のために対策をしていると、どれだけ売上や粗利額が大きかったとしても、その他の項目で利益を消すようになります。そうした痕跡が決算書からわかるようになるのです。

決算書の提出のない法人カードへ申し込む

ただ、実際のところどうかというと、審査が非常に厳しい法人カードでない限りは決算書の提出を求められることはありません。申し込む法人カードをきちんと選べば、あなたの会社の財務状況が把握されることはないのです。

もちろん決算書の提出が不要であったとしても、法人カードを作るときは以下のように年商や経常利益などを記載する欄が存在します。

ただ、決算書の提出を求められない以上、クレジットカード会社側はあなたの会社の財務状況を把握できません。そのため、年商や経常利益の数値については多少盛っても問題ありません。

また、正直に赤字であることを申告するため、経常利益のところに「▲200万円(200万円の赤字)」と記載してもいいですが、財務状況が悪くて赤字なのか、節税を頑張っての赤字なのか分からないので問題なく審査に通過します。

これは個人事業主・フリーランスであっても同じです。ビジネスを始めたばかりの個人事業主(自営業)であれば、「まだ事業が軌道に乗っていないので赤字になっているケース」はたくさんあります。ただ、確定申告書類の提出が必要でない法人カードであれば、問題なく審査に通過します。

法人に限らず、赤字の個人事業主であっても申し込む法人カードを見極めれば審査で落とされなくなります。

おすすめは登記簿謄本を提出不要の法人カード

さらにいうと、赤字決算の会社は「登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出すら不要の法人カード」に申し込むといいです。

決算書の提出が不要であったとしても、ほとんどの法人カードで登記簿謄本の原本(またはコピー)を郵送しなければいけません。発行から6ヵ月以内(または3ヵ月以内)の登記簿謄本をクレジットカード会社へ送るのです。

以下は登記簿謄本(履歴事項全部証明書)のコピーですが、こうした書類を用意するのです。

ただ、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)を提出すると「資本金の額」「事業開始から何年経過しているか」など、会社の状況が分かるようになります。財務状況までは分からなくても、その他の情報をカード会社に与えてしまうことになるのです。

法人カードの審査では、事業開始して何年経過しているのかも重要になります。そうしたとき、設立直後であったり、決算を迎えたとしても年数が経っていなかったりする会社の場合は厳しめに審査されるようになります。

そこで、おすすめは登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出すら不要の法人カードに申し込むことです。この場合、審査される対象は社長個人だけになります。本人確認書類(運転免許証など)を送るだけで審査が通るのです。その後、カード決済口座を指定するときは法人口座(個人事業主・フリーランスは事業用口座)を設定します。

・決算書や登記簿謄本が必要でも、「赤字OK」の法人カードは存在する

なお、中には決算書や登記簿謄本の提出が必要であるものの、赤字企業からの申し込みを歓迎している法人カードが存在します。

こうしたものにP-one Business MasterCardがあります。P-one Business MasterCardは公式サイトに「赤字決算でもお申込み可能」と明記されています。

こうした法人カードに申し込むことによって、問題なく赤字企業でも審査に通過します。ただ、それでも審査に落とされることに心配な人は、最初から決算書や登記簿謄本の提出が必要ない法人カードに申し込むといいです。そうすれば、審査落ちの可能性がなくなります。

個人信用は重要になる

決算書や登記簿謄本の提出が不要であり、非常に審査がゆるい法人カードが存在するのは事実です。ただ、審査が甘いとはいっても、「企業の財務状況などを判断してカード発行の可否を決めているわけではない」というだけであり、個人(経営者本人)に対する審査は当然ながら行われます。

個人カードの場合、本人が自己破産をしていたり過去に支払い遅延を何度も起こしていたりするとき、クレジットカードの審査に通らないようになってしまいます。

これは法人カードも同様です。ビジネスカードでは「社長個人の信用状況」は必ず審査されるようになります。どのクレジットカードでも、これには例外がありません。そのため、個人信用の状況は非常に重要になります。

逆にいえば、個人クレジットカードを一枚でも保有している人の場合、「決算書や登記簿謄本の提出が不要の法人カード」へ申し込めば、100%の確率でカード発行できるようになります。

そういう法人カードの場合、審査対象は社長個人だけになります。そのために提出を求められるのは本人確認書類だけなのですが、いずれにしても個人クレジットカードをもっている人の場合、申し込むべき法人カードを見極めれば必ず法人カードを手にできるようになります。

・最終手段は法人デビットカード

なお、自己破産をしているなど個人クレジットカードを発行できない人を「ブラック」と表現します。さすがに、個人信用が焦げ付いているブラックの状態だと、いくら登記簿謄本の提出が不要であっても審査に通らなくなります。

そうした場合、最終手段として法人デビットカードがあります。デビットカードは自己破産者であっても、高校生であっても持つことができます。法人版のデビットカードであれば、問題なくカード発行が可能です。

赤字決算でも審査で落とされないおすすめ法人カード比較

それでは、赤字の会社(個人事業主・フリーランスを含む)はどのようなビジネスカードに申し込めばいいのでしょうか。

節税のためにわざと赤字にしている会社であれば、そこまで気にする必要はありません。ただ、設立1年未満の会社など創業間もない会社であると、どうしても審査基準が厳しくなってしまいます。その場合は決算書の提出が不要なだけでなく、登記簿謄本についても提出不要だとありがたいです。

登記簿謄本が不要だと会社の状況は審査の対象にはならないため、個人でクレジットカードを保有している人であれば、100%の確率でカード発行できるようになります。

また、登記簿謄本を提出する必要があったとしても、審査基準がゆるく創業間もない赤字企業であっても受け入れてくれる法人カードが存在します。これらを含めて、おすすめの法人カードを比較しながら紹介していきます。

セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード

法人カードの中でも、実質的に年会費無料でもてるビジネスカードがセゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードです。初年度無料であり、年会費は1,000円ですが、年一回でも利用があれば次年度無料です。

個人クレジットカードとしての色合いは強いですが、法人口座(個人事業主は事業用口座)を決済口座として指定できます。そのため、法人カードとして利用することができます。

元々は個人カードであるため、セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カードは決算書や登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出は不要です。そのため、法人に対する審査基準は非常に甘いです。

年会費の安い法人カードなので、カードのスペックは普通です。ポイント還元率0.5%であり、利用限度額は30~150万円です。ただ、年会費無料でステータス性の高いアメックスを保有できるというメリットがあります。

三井住友ビジネスカード for Owners

年会費1,250円と格安で保有できる法人カードとして、三井住友ビジネスカード for Ownersがあります。初心者用の法人カードなので、個人事業主から起業1年未満の赤字法人まで申し込み可能です。

三井住友ビジネスカード for Ownersは決算書と登記簿謄本の両方とも、提出不要です。そのため、個人クレジットカードを一枚でも発行している人であれば、審査には必ず通ります。

そういう意味では、法人カードを発行するときの審査基準は非常にゆるいです。もちろん一般カードだけでなく、ゴールドカードやプラチナカードであっても決算書の提出が不要です。ステータス性の高い法人カードをもつ場合であっても、赤字かどうかを含め会社の状況は審査されないのです。

なお、格安の法人カードなので還元率0.5%と普通であり、限度額は10~80万円です。ただ、新幹線の割引を活用できたり、タクシーチケットを手配できたりと、年会費が安いにも関わらずカードを保有するメリットは大きいです。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード

審査の甘い法人カードの中でも、コスパよくステータス性の高い法人カードをもちたい場合に優れているものにセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードがあります。

年会費2万円ですが、年間200万円以上の利用で年会費1万円に下がります。さらに、ポイント還元率1.125%と法人カードの中でも最高クラスになっています。

クレディセゾンというカード会社が発行するセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードはビジネス用のカードにも関わらず、決算書や登記簿謄本(履歴事項全部証明書)の提出が不要です。審査対象は個人のみになるのです。

ただ、プラチナカードなので空港ラウンジを使えますし、コンシェルジュサービスもあります。利用限度額も非常に高いです。どれだけ赤字企業であっても審査に通過するゆるい法人カードですが、その内容は非常に優れているのです。

P-one Business MasterCard

決算書や登記簿謄本の提出は必要になるものの、公式サイトに「赤字企業OK」と大々的に記載している法人カードとしてP-one Business MasterCardがあります。

初年度無料であり、次年度からは年会費2,000円です。ただ、年一回でも利用があれば次年度無料なので、実質的に年会費無料の法人カードです。

年会費が無料であるため、審査基準はゆるいです。ビジネス経験ゼロの個人事業主や、創業直後の法人でも申請できます。

ただ、前述の通り決算書の提出は必要になります。また、審査に通過するためには固定電話(050から始まるIP電話も可能)の設置も必要になります。携帯電話の番号では審査に通過しないのです。そのため、固定電話がなかったり審査が不安だったりする場合は他の法人カードが適切です。

しかし、年会費が実質無料にも関わらずポイント還元率は0.6~0.8%と高めです。また、限度額も300万円までと高額です。無料で法人カードをもちながら、優れた特典を得たいときに考えるべきビジネスカードです。

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